国昌寺の縁起について
住職挨拶
国昌寺は対馬で唯一の日蓮宗の寺院です。
私は漁師一家の三男として対馬に生まれ、祖父も祖母も法華経を深く信仰しており、毎晩団扇太鼓を叩いてお題目を唱えていました。家の船も「南無妙法蓮華経」にちなみ、「妙法丸」という名前が付けられています。
私が9歳の頃、作元家の法事を国昌寺のご住職にお願いしました。
当時、国昌寺は先代住職が遷化され、新たに佐世保からご夫婦で住職に就任されたばかりでした。
そのご住職は、国昌寺の歴史を振り返り、「本土から住職が来ては遷化し、また本土から来ては遷化する。地元に根付いていない。このお寺には、地元の子供を住職に据えるべきだ」と考えるようになりました。
その際、作元家の法事で妙法丸という立派な船を目にし、「この家から子供をいただきたい」と強く思われたそうです。
法事の後、ご住職は祖父や父にその話をしました。
祖父は喜び、私はまだ小学4年生ながらもお坊さんになることを勧められました。
しかし当時の私はまだお坊さんという職業が何なのか理解しておらず、すぐに決断することはできませんでした。
半年後、私はお坊さんになる決意を固めました。
ご住職を師匠と呼び、小学5年生で出家得度をしました。
それからは毎週土日に父の車で1時間かけて国昌寺へ通い、3時間のお経の練習をしました。
家に帰る頃には22時を過ぎることもありました。
小学校5年生から中学校3年生まで、お経の練習や寺の行事の手伝い、境内の掃除や草取りなどを続けました。
高校進学の際には、親元を離れ、日蓮宗総本山である山梨県の身延山高校へ進学しました。
宿坊で全国から来られる参拝者の方々に給仕修行を行い、たくさんの方から励ましの言葉をいただきました。
また、全国から集まったお坊さんの卵たちと共に修行に励んだ経験は、私にとって大きな財産となりました。
高校卒業後は、東京の立正大学仏教学部宗学科へ進学し、渋谷区の日蓮宗寺院で修行しながら4年間の大学生活を送りました。
大学卒業後は『日蓮宗大荒行堂』への入行を目指し、福岡県うきは市の鎮西身延山本佛寺で半年間の修行を行い、その後、千葉県中山法華経寺にて厳しい100日間の修行を無事終了しました。
御祈祷やお祓いの技術を習得し、1年間本佛寺で実践修行を経て、平成16年に国昌寺へ帰山しました。
その後、師匠から国昌寺を受け継ぎ、平成18年に第24世国昌寺住職となりました。
師匠の思いを形にするため、地域の皆さんや子どもたちが集まれるお寺を目指し、様々な活動を始めました。
対馬のために自分にできることはすべてやろうと、Webデザイナー、動画クリエイター、ドローンカメラマン、対馬観光ガイド、歴史ガイド、観光コーディネーター、トレッキングガイド、SUPインストラクターなど、多岐にわたる活動を行っています。
私は、お坊さんこそ地域の発展のために命懸けで地域おこしに尽力すべきだと考えています。
これからもやりたいことにどんどん挑戦し続けたいと思います。
人生は一度きりです。
辛いことや悲しいことがあっても、やりたいことには全力で挑戦したいと思っています。
失敗してもいい。
失敗から学び、成功に向けて再び頑張れば良いのです。そんな人生をがむしゃらに生きたいと思います。
縁起
国昌寺の開祖である、仏性院日奥上人は1592年(文禄1年)妙覚寺19世となりました。
1595年(文禄4年)豊臣秀吉が主催した方広寺大仏殿千僧供養会への出仕について、京都十五本山の受布施派と対立しました。
1596年(文禄5年)日奥上人は豊臣秀吉に「法華宗諌状」を提出して妙覚寺を出寺し、丹波国小泉に蟄居しました。
1598年(慶長3年)徳川家康による供養会にも出席せず、日奥上人は公命違背として訴えられました。
1599年(慶長4年)受布施派と不受不施派は大阪城にて対論(大阪対論)した結果、日奥は対馬に流罪となりました。
これは日蓮宗内の「仏法は王法に従うものではない」という不受布施の教義によるもので、日奥上人は、信念を貫かれた傑僧であります。
「不受布施義」の不受とは文字通りに受けず、不施は施さずということ。
不受は概ね僧侶の立場で他宗の信者や未信者は謗法の人であるからこれらの人々からの供養・施物を受けない。
次に不施は概ね在家信者の立場で、他宗謗法の僧には布施供養をしないということで、
これは不受不施の根本的態度で法華信仰を守るための理念であり、信条・法度であります。
日奥上人は、初め対馬厳原久田道の龍如院(現在はない)に預けられました。
現在この仮住居跡の記念碑は、庄司政行氏によって大切に護られています。
その後、日奥上人は宮谷の武家屋敷奥に建てられた住居に移られました。
慶長17年正月赦免されて京都に帰るまでの間に国昌寺が建てられました。
人間は誰しも悩みがあります。誰にも話したくない悩みを持ってます。
しかし、1人で抱え込む事はとても苦しい事です。
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